microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の霞ヶ丘日記(41)

2013年5月4日(土)

サルバドール・ダリ(1904/明治37年ー1989/昭和64年)作。ダリの妻、ガラはタタール系ロシア人で、詩人のポール・エリュアールと結婚し、画家のマックス・エルンストと三角関係に陥ってしまう。サルバドール・ダリが25歳の時にエリュアール夫妻がダリの故郷を訪ねる。ガラとダリはそこで出会い、それ以来生涯連れ添うことになった。ガラは何も書かず、何も描かずであったが芸術家の情熱に共感し、不安を共有し、出来上がった作品に拍手を送る女性であった。ダリは作品に「ガラとサルバドール・ダリ」と署名するようになった。 家の中にいても寒く感じられて仕方がない。体調が悪いのだろうか、夕方になってきて火の気が欲しくなる。寒く感じるのはわたしだけだろうか。風邪だけはひかないようにしなければと思う。







2013年5月5日(日)

午前6時に起床する。今朝のお天気は快晴である。睡眠の質が今日1日を左右するように思えてくる。
午後9時から、NHKスペシャル「新生 歌舞伎座 檜舞台にかける男たち」を観る。今年の4月に東京銀座にある歌舞伎座が立て替えられた、新開場した。完成するまでに3年の月日が掛かった。歌舞伎は世界に誇る日本の伝統芸能である。歌舞伎座の新生は俳優のみならず、裏方として歌舞伎を支える人たちにとっても新生である。新歌舞伎座を設計した建築家、熊研吾緞帳の絵を描いた日本画家の上村淳之さん、照明担当者、音響責任者にインタビューしている。緞帳の絵は四季を彩る鳥たちであった。新生歌舞伎座は全てと言っていいほど、日本の粋を集めたもので成り立っている。それぞれの部門が心血を注いで作られ調整されたものである。歌舞伎界は中村勘三郎市川團十郎という大きな柱を失い、悲しみの中にあった。この穴があいた歌舞伎界の難局に、こけら落とし興業が行われたのである。成功を収めるためには歌舞伎界の総力を挙げての結集が必要であった。檜舞台では歌舞伎界を代表する役者が、それぞれ得意とする演目を上演していた。そして1ヶ月に及ぶこけら落とし興業は成功裏の内に千秋楽を向かえた。坂田藤十郎尾上菊五郎中村吉右衛門、、片岡仁左衛門、板東三津五郎、板東玉三郎松本幸四郎さんらがインタビューに応えていた。歌舞伎界の底力を見せる内容でもあった。








2013年5月6日(月)

宙(そら)への憧れは、日々更新される。午前6時40分頃に目覚める。午前7時20分頃に起床する。今朝も快晴である。ニュースでは帯広に雪が降っていた。5月に降るのは8年ぶりと伝えていた。雪は北海道全域のことらしい。外出の支度をして、午前8時25分頃に家を出る。外に出てみると相変わらず、空気が冷たい。行き先は竹橋にある東京国立近代美術館で、目的は「フランシス・ベーコン展」を鑑賞するためである。朝一番に行って、正午頃には帰宅するつもりである。有楽町線新木場行きに乗車した。飯田橋東西線に乗り換えて、二つ目の駅で下車する予定である。午後12時20分頃に見終わって外に出る。前庭の椅子に座って、休憩を取る。ひと休みしてから、寄り道をせず帰宅するつもりである。皇居にある今井謙次氏設計の桃華楽堂を見ながら、ベーコンの絵の中にいた身を五月の風に晒している。
午後9時からBSプレミアムで、激闘!美食のワールドカップ 「フランス料理世界一をめざせ」を観る。1987/昭和62年からフランスのリヨンで世界最高峰の料理コンテスト「ボキューズ・ドール」が開かれていて、料理界のオリンピックである。2年毎に行われるコンクールで今年で14回目を数える。この「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」を始めた人は、大会名にもなっているポール・ボキューズ氏である。氏はリヨン近郊で開店するレストラン「ポール・ボキューズ」のオーナーシェフである。レストラン「ポール・ボキューズ」は当然のことながら三つ星レストランで、40年以上も保持している。ポール・ボキューズ氏はフランス料理に根本的な変革をもたらしたシェフで、「ヌーヴェル・キュイジーヌ(新料理)」の代表的シェフである。今年のコンクールには24カ国から参加があり、それぞれの国の持ち味を生かしながら創作フランス料理を競いあった。番組ではメキシコのシェフ、デンマークのシェフ、日本のシェフ、フランスのシェフらのプロフィールや参加するまでの取り組みを紹介している。これまでのコンクールではデンマーク、ノルウエー、スエ―デンなど北欧勢の活躍が著しい。日本から参加したのは軽井沢にあるホテル・ブレストンコート総料長である鳥取県出身の浜田統之(はまだのりゆき)シェフで、アシスタントは坂田典之さんであった。浜田シェフは2回目の参加で、1回目は入賞出来なかった。評価法は課題である肉料理と魚料理を14人前×2の合計28人前を5時間35分内に作った上で、その料理の1.味 2.プレゼンテーション 3.自国の特徴 4.独自性が審査される。日本の浜田シェフは審査員が食べるときに使うナイフを福井の職人に特注し、大会で使ってもらうことにした。特注品のナイフは持ちやすく切れ味もシャープである。審査員にもこのナイフは好評で、多くの審査員が持ち帰ったそうである。浜田シェフは日本のフランス料理を追求するために、プラッター・器・刃物・木箱・スープガラスなど使うもの全部に日本の職人の技術を結集した「オール・ジャパン構想」で臨んだのだった。








2013年5月7日(火)

わたしに帰るところはない。この道を歩き続ける。「すべてのものは遠く離れることによって詩となる」ノヴァーリス(1772ー1801)

サルバドール・ダリ(1904-1989):カタルニャ地方のフィゲラスに生まれ、マドリード美術学校で学ぶ。








2013年5月8日(水)

今朝の通勤時に、美しいとしか表現しようがない富士山を見た。毎日の仕事ではエっと思うようなことが起きてめげる時も多々あるのだが、通勤時に吉兆物の富士山を見ることができるのは、有り難いことである。昨日と違って寒くはなかったので、これも助かった。午後6時半頃に無事に帰宅する。パルシステムから食料品が配達される。
午後8時からEテレで、ハートネットTV 子どもの虐待 どう救うのか?(3)「埋もれた性的虐待」を見る。今回のシリーズは深刻化している虐待から子どもをどのように助けたらいいのかを探るものである。今夜のテーマは「性的虐待」である。「性的虐待」は虐待の中でも埋もれた虐待といわれる。厚生労働省の統計では、性的虐待は全体の虐待の2%となっているが実態はもっと多いのではないかと考えられている。性的虐待解離性障害などの重い精神疾患を引き起こすことが調査・研究で知られている。そのために「性的虐待」の実態把握が急がれる状況である。番組では兵庫県明石市にある清水が丘情緒障害児短期治療施設と静岡県浜松市にある天竜病院児童精神科が紹介され性的虐待の治療に取り組む内容が紹介されていた。天竜病院児童精神科部長の山村淳一医師が 事例としての解離性同一性障害(多重人格)を発症する13歳の少女が取り上げられ、少女との面接の結果、性化行動リスク判定会議がもたれた。二つ目の事例として10歳のB子さんが取り上げられ、山村医師によるEMDR治療を受けていた。

オサガメ(長亀、Dermochelys coriacea):1億年前ら生存している。約1千万年前に硬い甲がなくなってしまったオサガメは、他のウミガメとは違う点がたくさんあり独立した種となっている。オサガメは、ウミガメの中で一番大きく、生きている爬虫類の中で最も大きい。甲長で最大256cm、 体重で最大916kgにもなるオサガメが過去に記録されている。ひれ(前肢)もウミガメの仲間では最大で、 広げると2.7mほどにもなる。








2013年5月9日(木)

今朝の通勤電車は電車が遅れるほどに混み合った。前の席が空いたので、座ることができた。無事に職場に着き、仕事を開始する。午後7時半から、クローズアップ現代「風疹大流行〜遅れる感染症対策〜」を見る。現在、過去最悪のスピードで流行が拡大している。患者の主な世代は、免疫のない20〜40歳代である。その人たちが感染源にもなっている状態である。今夜のクローズアップは風疹大流行にあたって、国の感染症対策を問う内容である。番組ではアメリカの感染症対策を取り上げていたが、児童へのワクチンなどの接種は無料である。アメリカが100点満点とは言えないかもしれないが、日本よりは数段に進んでいるように思った。

アールヌーボー様式タバコケース(1899/明治32年製)








2013年5月10日(金)

午前6時45分頃に目覚める。入浴して出勤する。今朝も快晴で、一番いい季節となってきた。途中の駅で、各停池袋行きに乗り換える。始発なので座席に座ることができた。カバンから本を取り出して、読書を始める。無事に職場に着き、仕事を開始する。静けさを持って、仕事に取り組みたいと思う。読書は終わりのない旅である。







2013年5月11日(土)

午前6時45分に設定している目覚まし時計の音で目覚める。身体が重く感じられる。自分が思っているより、疲れているのだろう。軽い朝食を摂って、午前7時45分頃に出勤する。乗りたい電車は駅前にきて、発車してしまった。6分後に来る電車をプラットフォームで待つ。電車はいつもよりすいている。途中の駅で下車して各停池袋行きの電車に乗り換えた。始発なので余裕を持って座ることができた。今日も気を抜かないで、しっかりと与えられた仕事をしたいと思う。最近、自分の生活にパリのカフェのようなものがあればいいのにな、と無い物ねだりをするようになってしまった。








2013年5月12日(日) 母の日

午前7時頃に起床する。入浴の準備をする。NHKニュースでは全国にアルコール依存症患者は約80万人もいるそうだが、治療を受けている患者は約4万人しかいないと報じている。母の日にあたってすべてのお母さんたちに、「おめでとうございます!」と申し上げたい。入浴後、午前9時半頃に外出する。最寄りの教会でミサに与る。その後、散歩がてら市立図書館へ行く。お天気は晴れで、気温は上昇している。天候に恵まれた「母の日」になって良かった。帰宅してのんびりとする。言葉は時に劇薬にもなり、良薬にもなる。処方を間違えないための勉強と研修は必須である。

ノーフォークスコットランド

サルバドール・ダリ(1904/明治37年5月11日ー1989/平成元年)題名:「ナルシスの変貌」(1937/昭和12年制作)