microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の霞ヶ丘日記(19)

2012年8月21日(火)
午前6時半頃に起床。洗面を済ませ、朝食を取りながら、BSで国際ニュースを見る。フリージャーナリストの山本美加さんがシリアのアレッポでの戦闘に巻き 込まれて死亡したと速報で伝えた。またルーマニアブカレスト近郊で兵庫県出身の二十歳の女子学生が殺害された。ご家族のことを思うと心が張り裂けそうに なる。異国の地で亡くなられたお二人のご冥福をお祈りします。今日も練馬区は猛暑である。外には出たくない。 仕事を終えて帰宅の途につく。朝から頭重感がして、すっきりしない。冷房にやられたのかもしれない。冷房の効いた車窓から透明感のある雲一つない夕方の空を眺める。










2012年8月22日(水)
朝からジリジリと太陽が照っている。今日も朝から太鼓判の猛暑である。準急池袋行きの電車に乗る。冷房が効いていて、ひと息つく。ガーゼ地の大きめのハン カチで汗を拭う。昨日の頭重感は治まったが、まだ何か本調子ではない。体調管理をして何とかこの猛暑の夏を乗り切っていこうと思う。柳瀬川鉄橋より久しぶ りにぼんやりとではあるが、富士山を見た。
午後7時からNHKニュースを見る。野田首相が反原発市民グル―プと面会したことがトップニュースであった。大江健三郎さんたちが立ち上げたグループが、 脱原発基本法(仮称)の成立を国会議員に働き掛ける市民グループ脱原発法制定全国ネットワーク」を設立したと報じている。シリアで銃弾をあびて死亡した フリージャーナリストの山本美加さんが、なくなる寸前まで撮影していた映像が流された。










2012年8月23日(木)
午前6時45分頃に起床。ベランダの植木に水をやる。テレビをつけBSの国際ニュースを見ながら、出勤の準備をする。アルジャジーラは山本美加さんの死亡 のニュースを報じていた。山本さんを殺害したシリア軍の将校が自由シリア軍によって捕まえられた。捕まえられた将校によると、外国人ジャーナリスト一行を 殺害するように命令を受けていたとモザイクがかかった映像で話していた。ということは山本さん達は行動を察知されていて、狙い撃ちされたということなのだ ろう。あらためて山本さんのご迷惑をお祈りする。朝風呂して、出勤する。今日も朝から暑い。 人を当てにするな、親でも当てにするな。一人で生きていくことを覚悟すること。 仕事を終えて帰宅の途につく。外に出ると西日がまともに顔を焼く。眩しくて帽子を眼深く被り、西日を防いだ。都合のいい電車の時間が迫っていたので、競歩 のように急いで駅へ向かった。電車は改札口を数メートル歩いた所でホームに入ってきた。乗客が電車という胃袋から吐き出されるように、下車してきた。その 乗客をすり抜けて、もう一つ前のドアから乗車した。目ざとく空席を見つけ、音を出さず風のように腰掛けた。
午後7時半から、NHK「新・猿之助誕生」を見る。歌舞伎という日本の伝統芸能の新たなページの始まりを告げる内容である。市川亀次郎は歌舞伎界にあって 人間的にも素晴らしい匂いを発している。歌舞伎俳優のなかで1番好きである。2009年だったと思うが大河ドラマ風林火山」の武田信玄役を見て以来、 ファンになった。歌舞伎界の中で社会を騒がす役者もいるが、市川亀之助には歌舞伎の大道を歩んでほしいと願っている。
午後10時から、総合診療医 ドクターG「吐き気が止まらない」を見る。毎回、勉強になるので見ている。今夜も何かヒントになるものを探したいと思う。












2012年8月24日(金)
午前6時45分頃に起床する。洗面を済ませ、朝食をとりながらBSで国際ニュースを見る。ヨーロッパのトップニュースはギリシャの緊縮財政政策の緩和問題 であった。フランスのオランド大統領とメルケルドイツ首相との会談が設けられたが、微妙に温度差があり、緊縮財政政策の変更は決定しなかった。エッフェル 塔の価値はイタリアの経済研究所の試算によれば、40兆円にもなるそうだ。 仕事を終えて外に出てみると、暑さは昨日と同じである。駅についてベンチに座る。暑さのせいか、若干頭重感がする。成増駅行きの電車がきたので、乗車す る。冷房が効いていて、ひと息つけた。早く家に帰って一風呂浴びたいと思う。準急電車に乗り換えたが、乗客はそれなりにいるがお話をするものはなく全員無 言である。和光市に着いたが、車窓から帰宅する人々が蟻の行列のように駅という巣の中に入って行くのが見える。朝霞駅で座席が空いたので座る。バックから 本を取り出し、読書を始める。 駅に着き電車を降りる頃には日が傾き、雲一つない空を見上げると半月が花が咲いたように輝いていた。月はいつも静けさと共にある。月はわたしの心に影を落 とさない。静けさを取り戻すためにこれからもわたしは月に寄り添うだろう。川越街道へ向かう大通りの先に、輪郭がしっかりした富士山を認めた。スーパーで 有機玄米を2キロ買って帰宅した。
午後9時半ごろからIMAGICA BSで韓国映画「戦火の中へ」を鑑賞した。朝鮮戦争時における学徒兵の壮絶な戦いを描いたものである。現在、日韓に領土問題が大きな影を落としてきたが、韓国の歴史を知る必要性は減るどころか高まっていると考える。












2012年8月25日(土)
午前6時48分頃に起床する。洗面を済ませ朝食をとりながらBSで国際ニュースを見る。中東の放送局アルジャジーラはシリア内戦を伝える中で、日本の ジャーナリスト山本美加さんを紹介するとともにシリアのアレッポで取材中に政府軍兵士に銃撃されてなくなったことを伝えたうえで、遺体がイスタンブール国 際空港へ送られ飛行機で日本へ帰ることになったと報じていた。映像で山本美加さんの棺がネットを被されて飛行機に乗り込むところを映し出していた。彼女は 明らかに標的とされ、狙い撃ちされていた。それは同行取材していた男性の撮った映像から知ることが出来た。銃撃戦に巻き込まれてという表現ではなく、日本 人ジャーナリストを標的として狙い撃ちされてなくなったという表現が正しいと思う。 お昼のラジオのニュースでジャーナリスト山本美加さんのご遺体がトルコ航空で成田に着いたこと知る。わたしは心の中で彼女に拍手をもって出迎えた。そしてお疲れ様でした、あなたはわたし達の誇りですと語りかけた。
午後7時からNHKニュースを見る。沖縄に巨大台風が近ずいている。アップルとサムスンの特許訴訟裁判でアメリカではアップル社の全面勝利となる。終盤国 会をむかえている今、民主党自民党の攻防が激しくなってきた。放射性物質に揺れる福島県の農家が作った早場米が、国が定めた数値より低かったために販売 が可能となった。ジャーナリストの山本美加さんの遺体が成田空港に到着した。ご遺体は杉並区の捜査本部が置かれている荻窪警察署に運ばれ、司法解剖が行わ れる予定である。











2012年8月26日(日)
午後6時8分ごろからBSで平清盛(33)「清盛、五十の宴」を見る。1167年、太政大臣にのぼった平清盛は五十歳を迎えようとしていた。五十歳を祝う一門の宴がもたれた。
午後7時からNHKニュースを見る。沖縄を直撃する巨大台風がトップニュース。2番目が「島を返せ」と連呼しながらデモ行進する中国の若者たち。寿司店に ペットボトルが投げつけられていた。若い女性がハンドマイクで「日本製品をボイコットせよ!」と叫んでいた。3番目は脱法ドラッグ問題で、アメリカで規制 が厳しくなってきたことを伝えていた。4番目は弁護士が犯罪者と接見する時にビデオ撮影が許されるのかどうか、弁護士側と東京拘置所側でもめているという 報道だった。5番目は特攻隊の遺書1000通が広島の江田島で発見されたというニュースだった。
午後8時からEテレで、日曜美術館藤田嗣治 玉砕の戦争画」を見る。フジタ画伯の戦争画には凄味があり圧倒される。戦後、戦争画によってフジタ画伯は立場を危うくするのだが、どういう風に評価していったらいいのだろうか。
午後9時からNHKスペシャル フローズンプラネット 第2回「激変する氷の大自然」を見る。環境問題としてよく観ていなければならない内容である。映像 は透明感に満ち魅惑的であり、生命力にあふれている。北極と南極を3年にわたって撮影したものである。
午後10時からETV特集「オキナワとグアム〜島が 問う アジア・太平洋の未来〜」を見る。