microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の霞ヶ丘日記(18)

2012年8月15日(水)
想うことだけでは足りない。行動に移してみることも約束のうちなのだろう。人間は約束の中で生きている。わたしたちはその約束を忘れてしまったのだ。午後 7時からBSの番組、「角幡唯介がゆくロシア 国道1号線の旅」を観る。ベラルーシ国境からモスクワまで1440キロの道のりを自転車で旅をする番組であった。ロシアの現況がいくらかわかる思いがし た。








2012年8月16日(木)
練馬区は殺人的な暑さである。外で仕事をされる方々が心配である。用事で外に出ているが、用事が済んだら早く帰ろうと思う。わたしたちは安住出来る場所を 見いだせるだろうか。わたしにとって安住する場所とは、まさにロマンとしか表現できないようなものである。安住したと思っても、仮のものであったことが 度々これまであった。西行芭蕉山頭火に惹かれるのも納得されるところである。通勤する途上の駅までのほぼ中間点に、百日紅の木が二本あって淡いピンク 色の花を咲かせている。花が咲き始めて十日以上経っているが、この猛暑にもめげず見事に咲き誇っている。一度でいいからわたしも、百日紅のように咲き誇っ てみたいと思う。










2012年8月17日(金)
民放番組はほとんど見ないが、アメトークを久しぶりに見ているが、リアリティがあって可笑しくて何度も笑ってしまった。 他者の仕事を正しく評価出来る人間になりたいと、心から思う。今日も練馬区は猛暑である。秋の気配はまだ感じられない。今日気づいたことは、日が短くなったことだった。地球は確実に自転と公転を行っているのだろうが、わたし自身も自転と公転を行っているように思える。 今日知ったことは人間は紫外線を見ることは出来ないが、蜂と虻は紫外線を見ることができる。花は紫外線を吸収するので、蜂と虻は花を認識することができ密 を吸うことが出来る。オゾン層がない時代は紫外線がさんさんと降り注いでいた。花は昆虫が登場してきてから生まれ進化してきたのだった。









2012年8月18日(土)
今日も元気に出勤する。練馬区ですが、雷鳴が聞こえます。少しずつですが近づいてきています。外が暗くなり、雨が降ってきました。雷鳴が轟いています。












2012年8月19日(日)
練馬区と埼玉地方は猛暑である。外に出かけること自体、覚悟がいる暑さである。新宿西口1丁目にある新宿センタービルに到着する。吉田敬三さんの写真展 「被爆二世108人の肖像」を観るためである。写真展を観て帰宅の途につく。写真家の吉田敬三さんと数年ぶりにお会いして、写真展のお話を伺う。

午後3時25分ごろからBS1スペシャル アジアで花咲け!なでしこたち 「立志編」「何とかなるさ編」を見る。アジアに活躍の場を求める若き日本 人女性の現況を知ることができた。就職先を世界に求めることをことを「セカ就」と短縮してよんでいた。カンボジア、中国の深玔、タイのチェンマイ、ベトナ ムのホーチミンで働く日本人女性が紹介されている。

午後7時半から、ダーウィンが来た!「生きもの大集合!森の“穴場”ツリー」を見始める。撮影場所はカナダのアルゴンキン州立公園の森。取り上げられた主 役の動物は、樹液を吸ううシルスイキツツキである。シルスイキツツキがあけた樹液が滴る幹に蝶、蜂、アカリス、シマリス、夜行性のモモンガなど100種類 をこえる生き物が集まってくる。アメリカクロクマがシルスイキツツキの雛を襲うところが取材班のカメラで、とらえられていた。シルスイキツツキの雛の3割 はアメリカクロクマに襲われてしまうそうだ。

午後8時から、平清盛(32)「百日の太政大臣」を見る。平清盛はは朝廷の中で出世していく。流人の身の源頼朝は監視役の伊東祐親の娘、八重姫と懇ろになり子をもうける。朝廷のなかではおどろおどろしい権謀術数の花が咲く。

午後9時からNHKスペシャル「奇跡の湿原 尾瀬」を見る。尾瀬の未知の世界をいろんな角度から探求している内容である。

午後10時からETV特集「ルポ 原発作業員 福島原発事故・2年目の夏」を見る。福島第一原発では毎日3000人を超える作業員が事故収束作業にあたっ ているそうだ。そのうちの6割が福島県民とのこと。このルポは歴史的なものになるのではないかと思った。今後、作業に携わった人々の被爆の影響が心配され る。誰かがやらなければならない事故処理の仕事であるのだが、言い知れぬ不安が胸を締め付ける。APDとは個人線量計のことで、線量がある線を越えるとア ラームが鳴る仕組みで、自分で止めることはできない。APDを鉛の板で覆って線量計の数値を低く抑えようとしたルール違反が発覚して、国による実態調査が 行われた。














2012年8月20日(月)
午前0時からEテレで、地球ドラマチック「戦争に行ったクマ ヴォイテクポーランド兵たちの物語」を見る。この話は実話である。シリアヒグマのヴォイテ クは、1942年から中東に駐屯した連合軍ポーランド部隊に育てられ、5年にわたって中東やイタリアの戦線に参加したのだった。この話は今夜初めて知っ た。

スーザン・ケイン女史がTEDで内向的な人間の生きづらさを述べています。今の時代は教育の現場でも外交的な社交的な人間が良しとされていて、内向的な子 供は問題児ないしは変わり者と見られてしまうと指摘しています。自分と向き合い新たな発想を生み出すためにも、内向的な人間も必要だと主張しています。彼 女の祖父はユダヤ教のラビでした。彼女の祖父がミラン・クンデラの小説、マイモニデスの著作を読んでいたと彼女は本を取りだして説明しています。そして祖 父が内向的な人間であったことを話しています。彼女は、孤独は呼吸のように当たり前で自然なことだとも話します。孤独の必要性を語ります。

午前6時半頃に起床する。洗面を済ませたあとBSで国際ニュースを見る。ヨーロッパも35℃を超える猛暑だそうだ。フランスの第二の都市リヨンでは40℃ にもなっていた。アメリカのイリノイ州では蚊が媒介する西ナイル熱によって76歳の男性がなくなり、飛行機による殺虫剤が散布されていた。エジプトは新大 統領のもとで、ラマダン明けを祝っていた。中国では領有権問題に端を発して反日抗議活動が中国各地で起きている。インターネットでは中国政府の弱腰外交を 批判する書き込みもあるそうだ。

「人も 馬も 道ゆきつかれ死にゝけり。旅寝かさなるほどのかそけさ」(折口信夫)