microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の霞ヶ丘日記(9)

2012年3月10日(土)
今、地震がありました。茨城北部で震度5弱です。首都直下型地震の予兆でしょうか。気になるところです。 
☆午前7時10分頃からNHKBSで「ワールド Waveモーニング」を観ています。ロシアのRTRは慶応大学が作ったロボットを紹介しています。 
☆1週間の仕事を終えて帰宅しました。朝の出勤時には 雨が降っていましたが、帰宅時にはあがっていました。今はゆっくりとして、疲れた体を休めています。大震災から明日で1年がたちますが、この1年間はやは り今までとは違った時間の流れであったように感じています。首都直下型地震の予知の中で、今後とも覚悟をもって生きていこうと考えています。覚悟を持って 生きるとは?死の恐怖におびえることを知るのであれば、愛する喜びを知るように生きることだと考えています。 
☆ザ・シネマで、クリント・イーストウッド 監督作品「CHANGELING」を鑑賞しています。この映画は1920年代にカリフォルニア州ロサンゼルスで実際に起きた警察による子供取り替え事件を 描いています。ジャンルとしてはサスペンス映画です。主演は女優のアンジェリーナ・ジョリーです。ほかの出演者はジョン・マルコヴィッチ、ジェフリー・ド ノヴァン、コルム・フィオールなどです。厳しい映画です。一度負のレッテルをはられると、鳥もちに採取された昆虫のようになかなか脱却できないことの恐怖 を感じる映画でした。 
☆NHKスペシャル、東日本大震災「もっと高いところへ〜高台移転 南三陸町の苦闘」を観ています。宮城県南三陸町では499人の 町民が亡くなり、今なお298人が行方不明です。町自体が壊滅状態になってしまった三陸町は高台移転を計りますが、次から次へと難題が持ち上がり計画は思 うようにいきません。NHKの取材班は南三陸町役場のプレハブ仮庁舎にカメラと腰を据えて、大震災から1年を経た被災地の問題点と課題を明らかにしていき ます。高台移転には1400億円の費用がかかりますが、政府からの援助もありますが町役場の費用負担は350億円ほどになることが明らかになります。南三 陸町の税収からすると途方もない金額となります。町長は上京し代議士に陳情します。その間にも町民は南三陸町から離れていく人が後を絶ちません。全くお手 上げ状態に南三陸町はなってしまいます。南三陸町から医療機関も企業も流出していきます。町の存続も危うくなる状況が続きます。 
☆NHK総合で「3月 11日のマーラー」を視聴しています。ほとんどのコンサートが中止される中で、新日本フィルハーモニー交響楽団定期演奏会は開催されました。演奏曲目は マーラーの「交響曲第5番」でした。演奏時間が70分となる大作です。チケットは完売していましたが、来場したのは105人のみでした。会場は墨田トリ フォニーホールでした。地震後、楽団員のリハーサルは中止されましたが、午後4時15分に演奏会開催が決定されました。ゲネプロが1時間遅れで始まりまし た。落ち着いた足取りでイギリス人の指揮者ダニエル・ハーディングが現れます。楽団員の一人は指揮者ハーディングがショックを受けたような感じで現れるだ ろうと思っていたそうです。あにはからんやダニエル・ハーディングは何事もなかったように舞台に登場してきました。マーラー交響曲第5番の最初はトラ ンペットだけの葬送行進曲で始まる曲でした。大地震で亡くなられた人々を追悼するような出だしでした。94人のオーケストラが心を一つにして演奏している 映像が流されています。楽団員が当日のことを昨日のことのように語っています。新日フィルの事務局が記録した映像を基に、楽団員と観客と事務局員にとって 忘れられないものとなったミラクルな演奏会を再現しています。





2012年3月12日(月)
今朝の埼玉地方は快晴です。昨日は下井草にある日本福音ルーテルむさしの教会で開かれた東日本大震災追悼集会に参加して、自作の詩を一編朗読しました。い くらか疲れが残っていますが、元気に出勤しています。柳瀬川鉄橋より久しぶりに富士山を見ることができました。満員電車ですが、おしゃべりをする人が1人 もいません。新聞をめくる音と咳払いぐらいの音です。しずかな満員電車です。成増駅で各駅停車の池袋行きへ乗り換えました。 
☆帰宅途中ですが、日が長く なった分、柳瀬川鉄橋から富士山を見ることができました。 
☆午後6時20分頃からBS世界のドキュメンタリー「ホットコーヒー裁判の真相〜アメリカの司 法制度〜」を観ています。2011年、アメリカのGroup Entertainment,If Not Now Productionsによる制作で す。1992年にホットコーヒーで火傷を負った高齢者の女性がハンバーガー・チェーン店に対して訴訟を起こし、約3億円もの賠償金を勝ち取りました。この 事例は訴訟社会であるアメリカの歪みを象徴するものとして有名な裁判となりました。3億円にも上る多額のお金を勝ち取った女性は強欲だと批判されました。 しかし実際の話はそうではなかったことが取材で明らかにされます。裁判自体をそのような結果に導いて、その後に訴訟を起こすことが強欲な人間がするもので あり、損害賠償額に上限を設けようとするアメリカのビジネス界の策略があったのです。テキサス州知事時代のブッシュ氏は賠償額に上限を設ける州法を制定し ます。そして大統領になってからもビジネス界に有利になるような法律をつくっていきました。真実を見極めることの難しさと、マスメディアが結果として加担 していきました。 
☆午後7時半からクローズアップ現代「イランとイスラエル 衝突は避けられるのか」を観ています。イスラエル原子爆弾につながる核開 発を推進するイランの動きに対して、国家存亡の危機と認識しています。イスラエルは先制攻撃を視野にいれながら、戦争の準備を国内で進めています。大戦に つながる危機的な状況が読み取れます。 
☆午後8時半頃からBSプレミアムでワイルドライフスペシャル「謎の深海巨大生物を追う」を観ています。世界最大 のイカで全長18メートルにもなるダイオウイカと36年前に発見され新種の深海ザメである巨大ザメ・メガマウスの知られざる生態をを、超高感度カメラなど の最新技術で調査、取材しています。取材地は日本の小笠原諸島駿河湾です。1000メートルまで潜れる潜水艇アメリカにある会社から借り受けます。そ の潜水艇に深海洋に改良した超高感度カメラを取り付けます。アメリカで海洋でのテストを行います。アメリカの頭足類(イカ・タコなど)の2の研究者も参加 します。NHKの技術陣は超高感度カメラの他に、小型カメラの音響トリガー式深海カメラと深海底を長時間観察できるカメラシステムを開発し、調査を続けて いました。深海での作業となるために高圧に耐える容器造りが必要でした。ダイオウイカメガマウス以外の深海生物も映し出しています。大群のサクラエビサクラエビを食べる太刀魚のようなタチモドキ、そのタチモドキを食べる大型の魚をとらえています。他には緑色の閃光を放って餌と間違えてカメラに体当たり する2メートルのヒロビレイカ、このヒロビレイカイカの特徴である吸盤を持たず、足に鉤爪(かぎつめ)を持っています。頭の穴から泥を吐き出しながら獲 物をあさる体長4mにもなるカグラザメなどです。他にはオンデンザメも映し出されていました。興味深い映像が見られて少し興奮しました。コメンテーターは 作家の荒俣宏さんでした。 
☆午後9時からBSでシリーズ 「震災後を歩く〜海外ジャーナリストの見た日本/カナダ デヴィッド・スズキ」を観ています。 日系カナダ人のデヴィッド・スズキさんが、日本人と海の共生をテーマに各地を取材しています。海洋学者と森林と海の生態を研究する学者とエコロジーに取り 組む研究者などを積極的に取材しています。








2012年3月13日(火)
埼玉地方の天候は快晴です。昨日より一段と神々しい富士山を柳瀬川鉄橋より望むことができました。 
☆午後7時半からBSプレミアムで「驚き!地球!グ レートネイチャー☆最後の秘境“深海”謎に迫る〜沖縄水深1400m」を観ています。NHK取材班は海洋研究開発機構JAMSTEC」の無人探査機ハイ パードルフィン号に、ハイビジョンカメラを取り付けて沖縄近海の水深1400mの深海の生態系を探ります。その深海に高温の熱水を噴き上げる熱水噴出孔 (チムニー)を派遣します。熱水噴出孔(チムニー)から噴出する熱水の温度は349度でした。高圧のために300度を超えても沸騰しないそうです。チム ニーは壊れやすいことがわかりました。チムニーの近くの岩場にゴエモンコシオリエビの群れを発見します。ゴエモンコシオリエビの生態を知るために捕獲しよ うとしています。何を食べているか知るために同じところに生息するシンカイヒバリガイをつぶしてみます。オハラエビがやってきてシンカイヒバリガイの身を 食べましたが、ゴエモンコシオリエビは食べにきませんでした。深海で何を食べているか調べるために捕獲して水槽で飼うことにしました。海上に揚げる途中で 潜水病で死ぬ恐れがあるために途中で馴化させるために休憩を入れます。ハイパードルフィン号が8時間ぶりに深海から海上へ戻ってきました。ゴエモンコシオ リエビは元気に地上に引き揚げられました。水槽で飼って分かったことは、餌をあげなくても生きることができるということでした。自分の胸腹の毛にバクテリ アを自生させそれを食べていたのです。そのバクテリアはチムニーから噴出している硫化水素を食べていることが知られています。今まで知られていなかった深 海での生態系の一端を知ることができました。






2012年3月14日(水)
今、地震がありました。この地震の多さは、普通ではないと思います。地震学者の生の声を聴きたいものです。気象庁の記者会見はありきたりで、隔靴掻痒です。








2012年3月15日(木)
「ニュースウオッチ9」で昨夜の地震について説明がありました。いくらか不安感が整理された漢字です。ニュースでは三陸沖の地震日本海溝の東側で沈み込 む前のプレートに「力」がかかって起きる「アウターライズ地震」と呼んでいました。 
☆午後9時半からナショジオの番組「サイエンス・ワールド6〜ホーキ ング博士の宇宙〜」を観ています。宇宙創生の瞬間の爆発をBig Bangと呼んでいます。それは約137億年前のことでした。世界は完全なる無だったと考えられています。ビッグバン、重力、電磁力、宇宙は振動する巨大 なひも状のネットから成り立っているという「ひも理論」。1次元、3次元、余剰次元、音は拡散し聞こえなくなります。ホーキング博士とひも理論。隠れた次 元。宇宙誕生の瞬間が解明できる施設CERN。原子よりも小さい粒子を27キロにわたるそのCERNの施設の中で衝突させ、ビッグバンと同じ状況を作りま す。余剰次元ブラックホールが発生する可能性もあると説明しています。ワームホール。泡宇宙。ホーキング博士は宇宙創成を解明しようとしています。宇宙 創世の統合理論。 
☆午後10時からなナショジオ「あなたの知らない世界史〜魔女か戦士か!?ジャンヌ・ダルク〜」を観ています。番組では19歳のジャン ヌ・ダルク自身と彼女の行動について分析を行っています。ただしフランス側から作られた番組でないことを承知していなければなりません。ルレアンでのイギ リス軍と戦うジャンヌ・ダルクは肩に矢を受けます。深さは15センチもあったそうです。当時の鎧・甲冑をもとに矢の進入口の方向などを探っています。矢に よる傷の痛みの程度を脳科学者とともに探ります。調査するグループをカトリック信者のグループと無神論者の二つのグループが当りました。敬虔な信仰と強靭 な精神を持っていたジャンヌ・ダルクを、火あぶりの刑にしたのはカトリック教会でした。そのカトリック教会がジャンヌ・ダルクを聖女としたのは490年後 のことです。






2012年3月16日(金)
詩人・評論家の吉本隆明氏 死去をニュースで知りました。ご冥福をお祈りいたします。吉本氏の作品と評論を読みながら、思索してきたものにとっては感慨深 いものがあります。NHK総合午前7時のトップニュースは吉本隆明氏死去のニュースでした。京都造形芸術大学教授の浅田彰さんが電話でコメントをよせてい ました。 
☆午後8時からナショジオチャンネルで「ヒロシマ原爆、今語られる真実」を観ています。1945年8月6日に広島に投下された原子爆弾はリトル ボーイと名付けられていました。悲惨なな被害を受けた生存者と被害を調査したアメリカ政府関係者の2つの視点から番組は制作されています。