microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の旭町日記(No.95)

平成15年8月17日(日曜日)―2003年
   午後2時から観ようと思っていた10チャンネルの番組を、うっかりして最後の方しか観ることが出来なかった。番組名は『スクープ・スペシャル―世界初証言・東京原爆作戦と天皇を狙った男/検証・イラク戦争の原点は58年前の日本にあった』である。キャスターの鳥越俊太郎氏が述べていた空白の7年とは、二〇世紀最大のタブーとされたヒロシマナガサキに投下された原子爆弾に関する報道であった。原子爆弾に関する日本での報道は、アメリカの不利益にならないように検閲などで報道を出来ないようにしたのである。原子爆弾に関する記事・写真・フィルム映像等は1952年まで封印されたのである。
   そういう当時の状況の中で、同じ番組のキャスターを務めている長野智子氏が8月16日の毎日新聞夕刊の自分のコラムで紹介した内容は注目すべきものだった。その内容とはアメリカ陸軍中尉ダニエル・マクガバン氏(94歳)の行動は特筆すべきものである。彼は被爆後のヒロシマナガサキを訪れ、その実情をカラーフィルムで撮影したのである。アメリカ国防総省はその記録フィルムを機密扱いにしたが、マクガバン氏は密かにライトパターソン空軍博物館に保管を依頼したのである。それが20年ぶりに世界に公開されて原爆の悲惨さ、非人道性を訴える唯一のフィルムとなったのである。