microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の旭町日記(50)

平成15年6月1日(日)―2003年
   午後3時半からTBSの番組『痛快 江戸テクノ』を見る。江戸末期の佐賀藩が組織した「精煉方」の業績を主に取り上げて、鎖国していた江戸時代の科学技術を紹介していた。佐賀藩第十代藩主鍋島直正は近代兵器(大型大砲・蒸気船・電信機など)の国産を目指して「精煉方」を組織させた。知的集団のメンバーは蘭学者佐野常民、からくり人形師の田中儀右衛門などだった。
夜8時からNHK教育番組の『新日曜美術館』を観る。今日の特集は版画家の棟方志功であったがゲストで同郷の長部日出男氏のコメントは聞き応えがあった。引き続いて午後9時からN響アワーを視聴する。ポーランドの作曲家クシシトフ・ペンデレツキ氏の指揮によるベートーベンの交響曲第7番を聞く。ペンデレツキ氏には30年ほど前に上野のホールであったコンサートの後に、楽屋を訪ねてサインを貰ったことがあった。その時そば武満徹氏がいたのを鮮明に覚えている。午後10時半から午前零時まで同チャンネルで女流ピアニスト、エレーヌ・グリモ―のリサイタルを鑑賞する。ラフマニノフがよかった。
新聞を整理していたら、ノーベル化学賞受賞者イリヤ・プリゴジンの死亡記事を見つけた。「散逸構造」を体系化した人である。実験に蟻の集団を使っていた映像を見たことがあった。