microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の旭町日記(19)

平成15年4月24日(木)―2003年
   午前中の仕事を終えて、池袋の新文芸座へ向かった。今日の上映は一本目がスタンリー・キューブリック監督作品で、1964年制作の『博士の異常な愛情』(原題「Dr Strangelove or How I learned to stop worring and love the bomb」)と、二本目がスティーブン・スピルバーグ脚本・監督作品で1977年/1980年制作の『未知との遭遇〈特別編〉』(原題「Close encounters of the third kind」)であった。『博士の異常な愛情』の出演者はピーター・セラーズ、ジョージ・C・スコット、スターリング・ヘイドン他であった。Stanley Kublic監督は1928年7月26日にニューヨークで生まれ、2002年にイギリスで死去している。                                『未知との遭遇』の出演者はリチャード・ドレイファス、テリ―・ガー、メリンダ・ティロン、フランソワ・トリフォー他で、音楽はジョン・ウィリアムズ。1980年にラストに登場する宇宙船の母船内部を追加撮影して、再編集している。Steven Spiellberg監督は1947年12月8日にオハイオ州で生まれている。                                             活水女子大学教授の田中俊廣氏より著作『痛き夢の行方 伊東静雄論』(日本図書センター刊¥4800)が贈られてきた。259ページの労作である。今年は詩人伊東静雄没後50年である。この本の中で伊東静雄は神経衰弱を克服する過程で、リルケの詩に影響を受けて作品を訳しているとある。興味深い話である。伊東静雄(1906〜1953)は長崎県諌早市出身で三年近くの肺結核の闘病後に大阪で亡くなっている。詩集に『わがひとに与ふる哀歌』(昭和10年)・『夏花』(昭和15年)・『春のいそぎ』(昭和18年)・『反響』(昭和22年)がある。若き三島由紀夫が昭和19年に敬愛していた伊東静雄を、勤務先の住吉中学(大阪)に訪ねた話は有名である。