microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の霞ヶ丘日記(24)

2012年10月17日(水)
午前6時頃に目覚める。少し晴れ間もあるが、全体的には厚い雲に覆われている。静かな朝である。遠くで鳴くカラスの声が聞こえる。わたしは賜った新しい一 日を、感謝する。午後4時半ごろより外を見ると、雨が降りだしていた。少し開けている窓から、冷気が入り込んでいる。昼間と大違いの天候である。風邪をひ かないように、注意したいと思う。
午後7時からNHKニュースを見る。最高裁が下した判決は早期の一票の格差是正だった。国会議員を選んだ参議院の選挙が 違憲であると下された。次の総選挙がもし有効な格差是正がなされないまま行われれば、総選挙自体無効の判決が下されるのではと危惧している。血税が無駄に なるということである。
午後7時半から、クローズアップ現代「日本女性は日本経済を救えるか―IMFリポート」を見る。今夜は時間を延長して放送してい う。今夜は二人の息子を持つラガルドIMF専務理事と経済同友会の長谷川氏が出演している。国谷キャスターが司会進行を担当している。女性のパート労働で オランダは奇跡的な経済成長を続けている。










2012年10月18日(木)
雨とともに夜の静けさが、わたしの心を穏やかにする。もう一眠りしなければならない。午前6時に起床する。雨は上がったが、空は厚い雲に覆われている。 刻々と変わる気象は色彩の変化でもあり、わたしの意識の似姿でもある。一見無造作に乱雑に混沌としている事象にも法則性があり、美があることを明らかにす べきなのです。今日も善なる行為の総和に、わたしの行為も役立つようにしたいと思う。世界のどこかで、誰も知らないところで、美しく輝いているものがあ る。そしていつか叶えられると希望を抱く瞬間が、風景の中に溶け込んでいる土地がある。











2012年10月19日(金)
午前6時頃に起床する。厚い雲がカーテンを開けるように少しずつ移動している。晴れ間が広がっていく。彼方に雲の上にそびえる富士山を仰ぎ見る。秩父連山 も見ることが出来る。肌寒く感じるのだが雨が降ったせいか、透明感のある朝になっている。世界は目で見ることが出来ない世界を内包している。そしてそれは ニュースとして世界に伝えられることはない。 対人関係の前提であり基本となるものは、丁寧さだと思う。命あるものはこの丁寧さの積み重ねによって、進化してきたとも言えるのではないだろうか。












2012年10月20日(土)
午後7時半から、NHKスペシャル「火星大冒険ー生命はあるのか?」を視聴する。NASAによる火星探査の歴史と今回行われているキュリオシティ(火星探査ロボット)の活躍を通して、火星の最新情報を伝える内容である。












2012年10月21日(日)
午前6時20分頃に起床する。外を見ると朝日がビルのガラスに反射して輝いている。わたしはいただいた光を同じように、照り返しているだろうかと自問する。現実的な問題があるときにこそ、この光を照り輝かしたい。
午前7時からワールドWaveモーニングを見る。フランスのポー川が氾濫して聖地ルルドが水浸しになっている。ドイツのARDはレバノンのハッサン氏暗殺 のニュースを伝えている。黒幕はシリアと報じている。イスラエルはガザに対する経済封鎖を行っているが、ガザに向かっている貨物船をイスラエル軍は臨検を 行った。ドイツのフリードリッヒ内務大臣はドイツ国内の極右ナチス主義を標榜する組織が地下活動を活発に行っていると報告した。インドのNDTVは 1962年に起きた中印国境紛争の時に亡くなったインド兵士4000人の追悼式典を初めて行ったことを伝えた。インドは屈辱的な敗北をきっしたために、長 い間触れないようにしていたのだった。50年たった今、インドは過去の歴史と向かいあっている。オーストラリアのABCはカトリック聖職者による性的虐待 のことを取り上げていた。警察署の責任者は記者会見を行い、カトリック教会は自分達の体面を保つために警察の捜査に非協力的で、事件を隠蔽していると発表 した。性的虐待を行った神父は16人にものぼるそうだ。カトリック教会は体面を保つことを止め、真実を明らかにし、犯罪を犯した聖職者には法の裁きを受け させるべきである。
午後7時半から、NHKの番組「ダーウインが来たーダンゴムシの秘密」を見る。
午後8時から、大河ドラマ平清盛(41)ー賽の目の行方」を見る。















2012年10月22日(月)
午前5時45分頃に起床する。天候は穏やかで晴れである。
午前7時からワールドWaveモーニングを見る。スペインPTVはバスク州議会選挙の結果、バス ク分離独立派が躍進したと報じている。民族党が第1党、武力闘争を過去に行っていたビルドウーが第2党となった。ドイツのZDFはレバノン情勢を報じてい る。情報省の責任者であったハッサン氏の葬儀が行われた。反シリア派と警察の衝突があったと報じている。中東のアルジャジーラはブラヒミ特使がシリアのア サド大統領と会談しイスラム教の犠牲祭の間の停戦を提案したと報じている。その停戦はシリアの全勢力に対して呼び掛けるものだとブラヒミ特使は強調した。 アメリカのベトナム反戦活動で知られるマクガバン元上院議員が死去したとNHKのキャスターが伝えた。フランスのテレビ局は聖地ルルドの洪水被害の状況を 伝えている。ルルドの洞窟内は大量の泥で覆われていた。特集ではミャンマー難民の民主化が進む祖国への帰国問題を取り上げていた。この問題の解説を上智大 学外国学部の根本教授が行った。 午後7時からNHKニュースを見る。小売業界(スーパー、コンビニ、デパートなど)の売上が減少している。野田首相は五つの野党と党首会談を国会内で行っ た。政治のニュースを見るたびに、ほんとに気分が悪くなってしまう。38兆円分の赤字国債の発行が遅れたときの市場に与える影響を、財務省が調査した。ア メリカ兵士による強姦事件に対して、沖縄県議会は日米地位協定の見直しなどを求める決議を採択した。俳優の大滝秀治さんの告別式が行われて、参列者は 1000人にものぼった。












2012年10月23日(火)
眠れない夜を過ごす。寝たまま窓から見える夜の空を見ている。街の灯りが少なくなった上を、次から次へと一塊の白い雲が何かに追われるように通り過ぎてい く。一つとして同じ形ではない白い雲は嵐に終われているようだった。通り過ぎていくものは白い雲だけではなかった。わたしの中の白い記憶が瞬時に甦ってき た。亡くなった父の白い雲、子供の頃飼っていた犬が野犬に襲われ近くの山に葬った白い雲、小学校入学して直ぐに入院した苦しかった白い雲、隣の子供のお母 さんが買ってくれたビスケットの白い雲、お世話になった人の優しい顔の白い雲たち。通り過ぎて行った人々のことが思い出される。別れていった人々は白い雲 と溶け込み、手の届かない所に立ち去って行った。午前9時過ぎから横殴りの雨が東京の板橋区及び練馬区に降りだした。小学校の校庭で先程まで行っていた体 育の授業も、校舎の中に消えていった。 夜になっても雨は降り続いている。雨の夜は人の活動が少ないせいか、静かに過ぎてゆく。窓に雨粒が張り付いている。夜が巡って来るのは早い。この雨の中を いまジェット戦闘機の爆音聞こえてきた。パイロットは危険な夜間飛行となった操縦を緊張しながら、行っていることだろう。













2012年10月24日(水)
午前5時50分頃に起床する。外を見るとガリヴァーがくしゃみをしたあとのような快晴のお天気である。一頻り降った雨のために秩父連山が、いつもより大き く近くに見える。富士山が見える位置にいくと、心洗われる雄姿に息を呑んだ。窓を開けると空気が思ったより寒いと感じたので、直ぐに閉めてしまった。朝日 が街の高い建物に当たり、ところどころ反射している窓ガラスを認める。
午前6時よりワールドWaveモーニングを見る。ベトナムがブラジルを抜いてコー ヒーの世界一の輸出国になったとベトナムの放送局は伝えている。アメリカの放送局は大頭領選挙における三回目となる討論会の模様と、二人の候補の発言内容 を比較していた。世論調査によれば三回目の討論会を聞いた有権者オバマ大統領の方が良かったとする人が多かったそうだ。アルジャジーラカタールの首長 が初めてパレスティナガザ地区を訪れ、財政支援を約束したと報じている。













2012年10月25日(木)
午後6時から、BS世界のドキュメンタリー「新生児集中治療室の日々(前編)」を見る。超低体重児として産まれてきた命は、最新の生命維持装置によってか ろうじて命をこの世に繋ぎ止めている。日々悩み苦闘するオランダの小児科医師たちの姿を追ったドキュメンタリーである。神の領域に触れるところに、小児科 医師たちは立たされているように思えた。女性とは希望であり、知恵の源であり、平和の泉である。













2012年10月27日(土)
午後7時からNHKニュースを見る。ネットバンキングを狙った新たな犯行手口が見つかったと報じている。中国で被害を受けた小売業の平和堂が再開した。オ スプレイの訓練飛行ルート上にある地方自治体は独自にオスプレイの飛行収集に力を入れている。日本人の2200万人が糖尿病及び予備軍であるそうだ。















2012年10月28日(日)
午前6時からBSプレミアムで、NHK交響楽団の中国北京公演を視聴する。日中国交正常化40周年を記念して、2012年9月1日に国家大劇院で行われ た。一曲目は武満徹作曲の「ハウ・スロー・ザ・ウインド」(1991年作曲:タイトルはアメリカの詩人エミリー・ディキンソンから取られたもの)、2曲目 はチャイコフスキー作曲の「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23」で、ピアノ演奏はサ・チェン、指揮は尾高忠明。サ・チェンはアンコール曲として、ラフマ ニノフのピアノ練習曲集「音の絵」(33の2)を演奏した。3曲目もチャイコフスキー作曲の「交響曲第5番ホ短調作品64」であった。客席は満員ではな かった。一部空席が目立つ客席もあった。しかし曲が終わる度に盛大な拍手があった。午後6時からBSで、大河ドラマ平清盛(42)ー鹿ヶ谷の陰謀」を見 る。"女々しいお方じゃ、まだ見ぬ明日へ、共に行こうぞ!(北条政子の台詞)"。
午後7時半から、ダーウインが来た!「ブッポウソウ意外な食生活」を見 た。ブッポウソウと鳴くのはコノハズクで、ブッポウソウの鳴き声は地味で短くカタカナで直ぐには表記出来ないものであった。ブッポウソウ絶滅危惧種に登 録されている鳥である。
午後8時から日曜美術館「ルオー 受難の道にさす光」を見る。今年の芥川賞を受賞した作家の鹿島田真希さんが、ルオーの魅力を伝える。彼女は高校時代にロ シア文学に深く傾倒し、ロシア正教会の洗礼を受けキリスト教徒になる。正教会に通ううちに夫となる神学生と知り合う。二人は結婚するが夫は脳の病気を患 い、体の自由を奪われることになってしまう。しかし笑顔でいる夫に鹿島田さんは癒される思いがすると述べている。彼女はルオーの作品「聖顔」について印象 を話す。番組はパナソニック汐留ミュージアムで開かれている道化師を中心とした「ルオー展」を西南学院大学教授の解説を受けながら進行していった。ルオー が何を表現したかったのか、そして表現したのかを探っていく。キリスト、道化師・・・。