microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の旭町日記(No.126)

平成15年10月1日(水)―2003年
   仕事を終えてから、マイカル・シネマ板橋で映画『サハラに舞う羽根』を観る。監督はインド人のセカール・カプール氏。カプール氏の生地は現在ではパキスタンになっている。彼は母国インドで『女盗賊プーラン』を制作した後にイギリスに渡り、『エリザベス』を作り上げ映画監督としての実力が認められた。映画『サハラに舞う羽根』は20世紀初頭に書かれたA・E・W・メイスンの小説が原作になっている。小説では植民地主義に立脚して、そのことを肯定する形で物語が展開していくが、映画では必ずしもそうではない。監督はあるインタビューに答えて「反植民地、反差別はインドでしみついた」と語っている。モロッコで撮影された戦闘シーンは迫力があった。カプール監督の次回作は「抑圧との戦い」をテーマとして、ネルソン・マンデラ南アフリカ大統領が題材になるそうだ。楽しみである。南アフリカは若きマハトマ・ガンジーが、非暴力による抑圧と差別への戦いを開始した土地である。