microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の旭町日記(42)

平成15年5月21日(水)―2003年
    昨日の毎日新聞夕刊文化欄にサミュエル・ベケット(1906〜1989)に関する記事があった。それによるとベケットは1936年の秋から半年をかけてドイツを旅行するが、それは孤独なものであったらしい。ベケットの死後、そのドイツ旅行時に書かれていた日記が見つかり、その日記には次のような記述があるそうだ。「大事なのは、ルターの歴史的意義などではなく、ルター(1483〜1546)が何処へ行き、何を食べ、何で死んだかというような人生の具体的細部なのだ」と。「人生の具体的細部」というところは全く同感するところだ。
History Channel の番組『戦争と兵器』(進化する爆弾)をみる。中国の火薬の発明から湾岸戦争までの爆弾が(地雷から原子爆弾まで)説明されていた。毎日新聞社の記者がクラスター爆弾を日本に持ち帰ろうとして、それがヨルダンのアンマン空港で爆発して犠牲者が出た事はつい先日のことである。戦場に何らかの目的をもって、行く者であれば最低限の兵器の知識が必要なのかもしれない。