microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の旭町日記(35)

平成15年5月13日(火)―2003年
   今朝の記事で目に付いたのは、ハーバード大学ケネディ行政大学院学長のジョセフ・ナイ氏のインタビュー記事であった。ナイ学長はソフトパワー(文化・価値観などの魅力で他国を引きつける力)の重要性を述べていた。軍事力だけですべてを解決することは出来ず、国際協調においてはソフトパワーが必要であると。単独行動主義の人たちは過度の軍事力重視を行い、それが国際社会に亀裂を生じさせていると分析していた。
午後9時15分からNHKの番組『プロジェクトX』をみる。今夜の内容は1986年4月26日に爆発したチェルノブイリ原子力発電所がもたらした災厄に関するものであった。爆発して数年後に、風下にあったベラルーシで子どもたちに甲状腺癌が多発し始めた。そのことを知った信州大学医学部の甲状腺を専門とする菅谷助教授が大学の職を辞して、ボランティアで単身ベラルーシに向かった。菅谷医師のベラルーシにおける5年にわたる苦闘の物語であった。
日曜日の夜にみた『情熱大陸』で紹介された脳腫瘍摘出手術の世界的医師である福島教授の働く姿も、今夜と同じように考えさせられるものがあった。医療ミスが続出する昨今であるが、医師の献身的な仕事があることも忘れてはならないだろう。