microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の旭町日記(34)

平成15年5月12日(月)―2003年
   毎日新聞の2日前の記事と今朝の記事に目が留まった。2日前の記事は『世界の目』というコラムでリチャード・コーエン氏(米ワシントン・ポストのコラムニスト)がメディア王、マードック氏のイラク戦争に対する姿勢を批判しているものだった。マードック氏は世界の175の新聞とFOXテレビなどのメディアを支配している人物である。マードック氏は自分が支配するニューヨーク・ポスト紙を使って「アメリカ主義」の名の下に、イラク戦争に反対する有名タレントのボイコットを呼びかけたという。その新聞のコラム欄で「サダムを愛する人を助けるな」と呼びかけ、「融和政策」支持の有名人を列挙したという。コーエン氏は違う意見を持つことは奨励されるべきなのに、討論を一方的に裏切り者と声高に叫ぶものであるか、それに近いやり方だとマードック氏を批判する。裏切り者と呼ばれた人の中に、湾岸戦争の報道で活躍したアーネット記者がいる。コーエン氏はマードック氏が米国のジャーナリズムに極端な愛国主義と不寛容な精神をもたらしたと批判している。もしこれが事実とすればマッカーシズムの再来ではないか。