microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の旭町日記(26)

平成15年5月1日(木)―2003年
    仕事を終えてから、恵比寿まで出向き写真展と映画を見た。写真展は東京都写真美術館で開かれている『荒木経惟 花人生展』である。観覧料一般千円。初期のシリーズ作品「彼岸花」・「近景」・「色景」から色彩鮮やかな「花曲」・「花情」・「彼岸色花」・「色情花」の作品群、またモノクローム作品群の「死情」・「Mythology」が展示されていた。一番驚いたのは荒木氏の絵画作品が展示されていたことだった。なかなか趣のある絵で、短時間の内に描かれているように思えるものであったが、色彩豊かで勢いがあり興味をもった。最愛の妻陽子の愛と死の写真と文章はいつも心を揺さぶられる。    
映画は恵比寿ガーデンシネマフィンランド映画アキ・カウリスマキ監督作品の『過去のない男』(原題「mies vailla menneisyytta」)であった。2002年カンヌ映画祭でグランプリと主演女優賞を受賞している作品である。映画の中で演奏していたバンドが緊急来日して、恵比寿ガーデンプレイス・センター広場で無料コンサートを開くそうだ。5月10日(土)午後2時〜3時。アキ・カウリスマキ監督のカメラワークは小津安二郎監督につながるものだ。静けさがいい。