microcosmos  4

日々の思索

本村俊弘の旭町日記(82)

平成15年7月26日(土)―2003年

   仕事を終えて池袋に出て、午後3時30分からシネリーブル池袋でルキーノ・ヴィスコンテ監督作品『熊座の淡き星影』を観る。制作は1965年で、100分の白黒作品であった。ヴィスコンティ監督はこの映画でヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞している。出演者は主役でサンドラ役を演じているクラウディア・カルディナーレ、サンドラの弟役ジャンニにジャン・ソレル、サンドラの夫役にマイケル・クレイグ、母親役にマリー・ベル、義父役にレンツォ・リッチ。映画の中でセザール・フランク作曲の「前奏曲・コラールとフーガ」が記憶を蘇えらせる役割をになっている。ピアノ演奏はアウグスト・ドッターヴィだった。ギリシャ悲劇の「エレクトラ」を下敷きにして作られていて、姉弟の近親相姦がもたらす悲劇を没落していく貴族のやるせなさとを絡めて描いている映画であった。